ジャジャジャジャン〜
息子は去年の7月からフルートを習っている。
誰に勧められたわけでもないのだけど、フルートを習いたいと自分から言いだした。
私は小学校の頃、ピアノを習っていたのだけど、
ちっともいい思い出はなく、毎週イヤイヤ行っていたことと
先生のご機嫌が悪い時に間違えて弾くとパンッと手の甲を叩かれるので
怖くて嫌だったことしか覚えていない。。。残念だ。
自分から習いたいと言った息子は、とても楽しそうにフルートを吹いている。
練習もレッスンも嫌がらず、新しい曲を吹けるのが嬉しくて仕方ないようだ。
羨ましいな〜、と思う。
先日友達のお兄ちゃんに教えてもらって、初めてオーケストラの体験会に参加した。
参加表明すると楽譜が送られてきた。
曲はベートーベンの「運命」。
フルートの出番は少なめで、おやすみの小節が長すぎて、どこで吹くのかわからず、
練習しようにも、ものすごい高い音で、楽譜上の音符を「ドレミファ・・」と数えても、
いまひとつ何の音かわからない風だったのだけど、
「吹けなくてもいい、吹けるところだけ吹くから。参加する!」と、ワクワク。
「大丈夫?」と聞くと、
「周りの人に教えて貰えばいいでしょ」と。
度胸あるな。
そんな感じで2週に渡って参加してみて、すごく楽しかったみたいだ。
遠くから見ていた私には、ちゃんと吹けているのか、いないのかも分からなかったけど、
彼が楽しんでいることだけはわかった。
練習では、指揮者の方のリードで曲を部分部分に区切って、少しずつ練習していく。
「絃楽器だけ」とか「管楽器」だけとか、「木管だけ」とか。
そして、そこの部分でどんな音が求められているのか、ベートーベンが
何を意図しているのか、など解説してくれる。
積み木のパーツを少しずつ組んで、大きな建物を作っていくような感じだ。
私にとっても初めての経験で、まるで映画のメイキング映像を見ているようで、とても面白かった。
そして、突然思い出したことがある。
それは昔、カウンセリングの勉強をしていた時に、カウンセリングのセッションで、オーケストラがよく比喩に使われていたことだ。主役級のヴァイオリンだけでなく、目立たなくても大切な役割がある様々な楽器があってこそ、豊かなハーモニーが作られるのだということ。それぞれが自分の持ち味を存分に発揮することが大切で、それにより全体の輝きは増すのだということ。
私たち一人ひとりが、この世を生きるというのは、そういうことなのだということ。
息子にとっては、そんなことを言葉を介さず感じられる場だったのではないかと思う。
ところで、その日からというもの、「運命」の「ジャジャジャジャ〜ン」のフレーズが、頭からこびりついて離れない。。どうしたものだろう。
0コメント